自動車とエコ

今、クルマの話題と言えば一にも二にもエコである。しかし環境負荷を減らすのはクルマだけの仕事じゃないよということは、頭に入れておいてもらいたいと思う。交通社会を形成しているクルマ、道、そして人。これらがもっと協調していかなければならない。
まずは道。環境負荷の原因として大きいのが渋滞である。排ガスは出るし燃料消費だって増える。しかも更に大きな渋滞の原囚となる事故も起きやすい。
目下、渋滞回避に大きな効力を発揮しているのがカーナビである。将来的には、道路の側からも情報が提供される「路軍閥通信」も盛んになると言われてきたが、今回の震災で、カーナビに渋滞情報を伝えるVICSが機能しなくなったのを見れば、これに疑問符がついたと言うほか無い。
おそらく「車車間通信」的なもの、あるいは震災直後から通行可能道路情報の提供で活躍した、通行車両から携帯電話回線で上げられた情報加他車と共有されるようなシステムが今後の主流になっていくはずだ。IT技術に踏み込む前に、道路の側でできることも実は沢山ある。たとえば速度規制や追い越し禁止区域の見直しがあってもいい。滅多にクルマが通らないのに延々30KM/h規制で追い越し禁止。そんな道の制限速度を引き上げる一方、市街地では30KM/h以下を厳守させる。ヨーロッパのようにそんなメリハリをつけることを、そろそろ考えたい。道路がスムーズに流れれば渋滞は減る。これは安全という意味でも重要だ。

しかし何と言っても大切なのは運転者の意識の向上。これに尽きる。エコカーに乗っても、常にぶっ飛ばしていたらエコにならないのは誰だって解るだろう。当然、これは論外だ。しかし逆に、無闇にゆっくり走るのも、実はエコではない。
たとえば週末の高速道路でよく見掛ける、一番右側の車線を周囲のペースを無視して悠然と走っているクルマ。これは自分の燃費は良くても、交通の流れを悪化させ、社会全体で見た場合はむしろ反エコにもなりかねない。「ふんわりアクセル」にも反対だ。青信号からの発進が必要以上にゆっくりだと通れるクルマの数は確実に減る。こうした些細にも思えることが、積み重なって渋滞をつくるのだ。
その意味では、正しい運転に導くクルマという観点も必要かもしれない。渋滞の原因として多い上り坂での速度低下などは、それと気付かせるクルマなら起こらないはずだ。
環境負荷を低減し、エコな社会を実現する。そのためにはクルマだけでなく道も、そして人も、ともに進化していかなければならないのである。

 

 

Leave a Reply

You must be logged in to post a comment.