日産キューブ

マーチをペースに全高を200mmも嵩上げした直線基調のボディを載せた初代キューブは、ミテバンブームもあって人気に。そして先代では単に四角いだけではない、オシヤレな家具や小物のような内外装が醸し出す、今までのクルマの常識を覆すような存在感で人人気となった。
2008年秋にデビューした現行モデルも、その雰囲気を色濃く踏襲した、更にこだわりのデザインが自慢だ。外装は、カドが更に丸められて、もはやキュービックではない柔らかなフォルムに。インテリアはバスタブのような包まれ感を狙ったといい、見渡す限りほとんど曲線と曲面で構成されている。
エンジンは1・5リットルのみ。すべてCVTとの組み合わせだ。後輪を電気モーターで駆動する特徴的な4WDも選べる。
乗り心地は非常にソフト。しかし柔らかな中にも粘りがあって揺れ残ったりすることはなく高速域まで実に快適だ。ステアリングの反応も良く、思った通りによく曲がる。動力性能は目を見張るほどではないが、静粛性の高さも印象的なところと言える。
しかし率直に言って今のキューブ、勢いは感じられない。なぜかと考えると、どうもこだわりが過ぎているのではないかという気がする。先代には年齢も性別も問わず「ちょっとイイね」と感じさせる温もり感と、肩の力の抜けた感覚があった。しかし現行モデルは力が入って色々凝り過ぎ、「どう? オシャレでしょ? センスいいでしょ?」と畳み掛けられている気になってしまう。それなりの年齢の人や男性はこれは手を出しにくいだろうし、若い人にとってもこれだけ。余白4が無かったら自分を表現できそうにない。
先代の頃は冴え渡り、話題作を連発していた日産デザイン。しかし、このキューブに象徴されるように今はどうも策に溺れてしまっている感じだ。もっとサラッとシンプルにとは行かないものだろうか。

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